先日、PS4でリメイクされたワンダと巨像の1週目をクリアした。
ノーマルで総計10時間くらいだったように思う。PS3版を一通りクリアしていたが、ところどころ記憶が抜けていてこれくらいの時間だった。その時は、1週やってそのままになってしまったので、今回はアイテムコンプとかしていこうかと思っている。
以下ネタバレ感想注意。
ワンダと巨像は、儀式によって魂を失った少女:モノを救うため、ワンダが16体の巨像を倒していく物語。ストーリーはあまり詳細に語られず、プレイヤーの想像にゆだねられるところが大きい。
主人公ワンダ
魂を失った少女モノ
ワンダと巨像、というか上田文人さんのゲームはいずれもその世界観が魅力だと思っている。
「ワンダと巨像」はゲームというか「遊び・遊戯」として面白いのかと言われると、正直微妙…と言わざるを得ない。ジャンルは「アクションアドベンチャー」となっているが、周囲の地形を使って巨像の弱点を露出させたり、巨像によじ登ることが必要になるため、謎解きゲームのような要素が強い。巨像の倒し方がわからないと結構ストレスがたまる。
また巨像の攻撃で態勢が崩れると数秒動けないし、巨像に上ってる途中で振り回されたら身動きがとれなくなるなど、アクション部分にも爽快感はない。
でもこのゲームは多分それでいいんだと思う。というか製作者が意図してそうしてるのかもしれない。
何がいいって、ワンダと巨像を最初にやったときはひどく心を動かされたことに尽きる。最初の内はそうでもないんだけど、巨像を倒していくうちにぼろぼろになっていくワンダを見ていると大丈夫なのかと心配になる。それからアグロが崖から落ちたときや終盤の展開を見ているうちに、自分がワンダと巨像の世界に没入していることに気づく。
何でそんなに没入しているかっていったら、爽快感のないアクションのおかげなんだと思う。
ワンダは必死だ。見上げるほどの巨像を、あるいは自分よりも圧倒的に素早い巨像を前にして、弱点を見つけ、巨像の身体にしがみつき、やっとの思いで剣を突き立てる。
プレイヤーもそれにリンクしている。あーでもないこーでもないと攻略法を考え、ようやく巨像にしがみつく。振り落とされないように掴まり続けて、巨像の体を登り、やっと攻撃ができる。
ワンダは超人的な特殊能力があるわけではない。華麗に連続攻撃できるわけでも、素早い動きで攻撃を避けることもできない。それでもモノを救うため、必死に巨像を倒していく姿を見ていくうちに、プレイヤーはその世界に没入していく。
巨像。攻撃も迫力がある。
そのうえでのラストの展開である。
やっとの思いで16体の巨像を倒し終えたのに、結局はドルミンに騙されていただけだったと思い知らされ、エモンたちに殺されそうになったとき。最後に泉に引きずり込まれている時。モノがワンダを抱いて、庭園に行ったラスト。自分たちたちプレイヤーはその時何を思ったのか。
私は、アグロが落ちたときはへこんだし、エモンたちに殺されそうになったときはむかついたし、泉に引きずり込まそうになりながらも、何とか引きずり込まれないように階段に限界まで掴まってたし、ラストは少しは救われたような気分になった。
そういう情動を作り出すのがこのゲームの真骨頂だなーと思っている。
ここな!
あと、2次創作もいい。いろいろと想像の余地はあるため、2次創作で小説なり漫画なりを出している人もいて、そういう作品を見るのも非常に楽しい。今でもコミケとかで、同人誌配布されていたりするので、そういったものを集めるのも面白い。
ICOやトリコも同じだ。最終的にこれらの何が魅力ですか?と聞かれたら、作品を通した情動の変化だと答える。
どうも私は、ゲーム(遊び・遊戯)自体というよりも、自分の情動を呼び起こす「物語」を感じるのが好きなんだなーと思う。ゲームはそういった物語を感じるためのツールみたいな感じ。
今後もそういった物語を感じられるゲームを探していきたい。