沼メモ

FF14(槍鯖)、その他ゲームやらなんやらの話題を書きたい。

パンプキンシザーズ 真夏の夜の読み物

自分が好きな作品のジャンル(?)に「説教くさい作品」があげられる。別な言い方をするなら「深い」とか「哲学的示唆に富む」とか「思想性がある」とか言い方はいろいろあるとは思うけど何となく気取っている気がして、「説教臭い」という言い方をしたくなる。

言い方はともかくとして、自分の価値観や物の見方みたいなものに対して、オラーと殴り掛かってくるような、そんな感覚が快感になる。むろん一定の説得力を感じなければ意味はないが、とにかく価値観を揺さぶるようなものが好きなんだ。

そんな感じで、説教臭さで殴り掛かってくるような作品で現在進行形で追っているものに「パンプキン・シザーズ」がある。その説教臭さをときどき思い返すためについ夜中に読み始めて深夜まで読みふけってしまうことも時々ある。漫画だと気になる場面をふらっと読めて、こういうのはゲームよりもいいよなーと思っている。

パンシザ1巻

-あらすじ-(ウィキペディア先生より)

帝国は、フロスト共和国と長きにわたる大規模な戦争を行っていたが、「薄氷の条約」とも呼ばれる停戦条約が結ばれ、戦争は終結した。

停戦条約から3年を経て、帝国は復興しつつあったが、なおも社会混乱は完全には収まっておらず、難民や兵隊の夜盗化などの「戦災」が続いていた。そこで帝国および帝国陸軍は、これら問題を解決する戦災復興の専門部隊として陸軍情報部第3課(後に通称「パンプキン・シザーズ」)の設置を決める。

第3課の実情は形式的な物であったが、彼らは戦災復興に真面目に取り組み、時に戦後の混乱を利用して私腹を肥やしたり、民衆を虐げる権力者たちと対峙する。

物語は、とある村にパンプキン・シザーズとして赴いたアリス・L・マルヴィン少尉と、退役後は悲惨な戦場に倦み疲れて行く宛ても無く各地を放浪していたランデル・オーランド伍長との出会いから始まる。

個人的に特に胸に響いたのは、単行本20巻でブランバルド大佐がテロリストとの戦闘中に話す独白の場面。描写と相まって、本当に鳥肌が立った。先祖が戦争に負けたというだけの理由で迫害を受けてきたテロリストたちに対して、大佐らは機甲戦を仕掛ける。そのなかで以下のように話す

 (機甲戦には)同情もない 訝しみもない 生い立ちなど関係ない 

 ここにあるのはーー 鉄と火薬の理だけだ!!

 

そして以下の場面に続く。

パンシザ21巻

これまで劣等民族として平等に扱われず迫害を受けてきた者に対して、戦士として平等に殺してやると宣言するこの場面。これはマジで熱い。

ここにつながるまでのセリフもすごい好きなのだが、ここに書くにはあまりにも自分の語彙が足りないため、気になる人は読んでほしい。

とはいえさすがに20巻の見どころ言われても…といったところもあるので、比較的古い巻で考えると、舞踏会編(~5巻)までだけでも十分この作品の魅力は感じられると思う。舞踏会編では貧富の差や貴族の横領にぶちぎれた平民が貴族の舞踏会を襲撃する。平民VS貴族で一触即発の中、主人公:アリスが選んだ選択が見どころ。グッとくるセリフとしては

 貴族だから裁かれない 平民だから赦される

 笑止

 罪あらば裁く! 悪あらば斬る! それが 貴族でも 平民でも 皇帝陛下であろうとも!

 

アリスの在り方を端的に示したセリフだと思う。まあ、それが行き過ぎているが故にいろいろと思い悩むことにはなっていくのだが。正しさを極端に求めてしまうアリスがこの先どのような選択をしていくのか、この作品を追い続けたい。