沼メモ

FF14(槍鯖)、その他ゲームやらなんやらの話題を書きたい。

数学ガールを読んでの感想 3章まで

数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話を読んでいる。まだ3章までしか読んでないが、なかなかに「わかる―」となったので、備忘録として書いてみたい。

 

・読み始めたきっかけ

何かの記事で「何が分からないか分からない」という状況を理解するのに読むといいと紹介されていたので、読んでみた。自分自身が「何が分からないか分からない」「分かっていないことが分かっていない」状態に陥ることが多く、解決策を探している中での本だった。3章までだとまだ「何が分からないか分からない」の考察まではいかないんだけど、ここまででもかなり刺さった部分があったので、そこを言語化してみたい。

 

・わかるーとなった場所

 ・2章

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y=2xという式の話で

y=2x

という式を、

2x=y

という式に書き換えても、同じ直線を表している。さらに、

2x-y=0

という式に換えても、同じ直線を表しているんだよ。

(※太字は筆者)

 

これに対して、説明を受けているノナは

「移項しても答えが出ない……答えが出ません」

「2x-y=0だとx=にならない……なりません」

と反応する。

 

この反応に対して「何となくわかる~!」となった

 

これ、自分も特に太字にした式を見て、上図の直線を思い浮かべることはできなかった。無論、y=2xを移項しただけというのは分かる。しかし、中高の数学で習うのは使うのはもっぱらy=axの形であり、問題は「yやxの値を求める」ことがほとんどだったので、わざわざax-y=0なんて数式にすることはまずなかった。

なので、2x-y=0とぱっと出されたとしたら、「何だこの数式は?」と一瞬混乱してしまうだろう。いつも「xの値を求める」みたいな問題意識が頭にこびりついてるため、「x=」の形にしてしまいたくなる。

そんな感じで、「x=になりません」という言葉にはなんとなく共感を覚えた。

 

あと「例示は理解の試金石」という言葉を知れたのもよかった。要は「自分が理解したか知りたかったら例を作ってみろ」ということだ。今までなんとなく知った気になっていて、実際には全然分かっていなくてやけどを負うようなことが多く、例を作るという理解の物差しを知れて助かった。

 

 ・3章

3章はノナとのやり取りについて、後輩のテトラと話す場面になる。自分の説明に対して、理解していないのに「はい」とノナが言ってしまっているとぼやく主人公に対して、テトラは以下のように言った。

 

話を聞いていないと言われて教える側は悲しいかもしれませんけど、教えられる側だって一生懸命なんですっ!

(中略)

先生の説明を聞いている途中で、説明とは別のことが気になるときがあるんです。

 

これなー。ほんとこれ。自分がそうであると同時に、何かを教える立場になってる時も意識しないといかんな―と感じた。分からなければ相手から「分かりません」と言うだろうというのは、少なくとも教える側の心構えとしては甘えくらいに考えるのがいいのだろうな。

 

 ・So What?の疑問

テトラが数学の「理解」について話した場面。

先ほど「例示は理解の試金石」という言葉が登場したが、例示だけでは深いレベルの理解に着かないのではないかとテトラは言う。

 

問題は解けるから、確かに理解はしていると思うんですが、でも、So what?—《だから、何?》《どうしてそんなことを考えるの?》《それのどこがおもしろいの?》—がわからないことがあるんです

 

主人公はこれを「意味は分かるけど意義が分からないもどかしさ」と表現した。

 

これは中国語の部屋の思考実験と似たような感じだろうか。数学の規則に従って、数式を変形したり、図形を書いたりできるようになるだけが「理解」ではなく、もっと深いレベルの理解—So what?に答えられるような理解—がその先にあるということだろう。

 

自分の経験でいうなら「速度・時間・距離」の計算で、最初のうちは多分「きはじ」とか計算するための図を習うと思うんだけど、図を意識しなくても計算ができるようになったときに感じた感動がその深い理解のように感じられる。

 

反対にいまだ意義が分からないのが、「行列」の計算だ。自分が高校で明確に数学嫌いになった原因の一つだ。

 

ある日いきなり教師が、行列というものを教え、四則演算の方法を教え、「はい、計算して」と言われた時は全く意味不明だった。

当時の教師曰く「よく分からないけど、これでご飯を食べている人もいるらしい」とのことだったが、結局どういう意義があるものなのかは最後まで分からなかった。

 

一応最近になって、美少女を作るのに行列が必要になるらしいとの話は聞いた。正確には3Dモデリングをきちんと理解するのに必要になるらしい。とはいえ、覚えようとは思えないが。

 

そんな感じで、3章までにして既にかなり自分に刺さった本となった。最後まで読んだらまた感想を書いてみたい。