沼メモ

FF14(槍鯖)、その他ゲームやらなんやらの話題を書きたい。

The Last of Us Part II 感想3 復讐の終わり

例のごとくネタバレ満載なので注意。

 

例えばキャンプに行って、しとしとと雨がずっと降ってて、自分はテントの中で雨の音をじっと聞いているような。でも最後は雨の音が止んで、晴れ間が見えたような。ラスアス2が終わったときに覚えたのはそんな感覚だった。

 

起きていても追いかけてくる悪夢を終わらせるため、エリーは再び復讐の旅にでる。
そろそろ終盤。久しぶりにエリーを操作できるかなと思っていたが、最初に操作するのはアビーだった。もしかして正主人公ってアビーになるのか…。

 

エリーとのタイマン後、アビーとレブが向かったのは、ファイアフライがまだ活動していると噂のサンタバーバラファイアフライ自体は既にいなかったが、本拠地と通信をとることができた。早速向かおうとするアビーらだったが、現地の無法者集団に襲撃され拘束されてしまうのだった。

 


 

ここでようやくエリーに操作が移る。

 

アビーを追ってサンタバーバラへ来たエリー。
道中、無法者集団に襲撃され傷を負うも、不死身かと思うようなバイタリティで突き進んでいく。

 

どうやらアビーは脱走しようとして捕まり、磔にされているらしい。

エリーは満身創痍のなか浜辺へ向かい、こちらも満身創痍のアビーとレブを開放する。

出会い頭にいきなり殺すことはしなかった。半死半生なアビーの姿に面食らってしまったのか、ほとんど抵抗しない奴をいきなり殺しても復讐にならないと思ったのかは分からない。

 

アビーたちはそのまま近くのボートへ向かい、脱出を試みる。
余談だが、この浜辺がタイトル画面の場所になってるんだけど、こういう終盤の場所がタイトル画面になってて、進めると内容が分かるみたいなの好き。

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エリーは途中までただ付いていくだけだったが、ボートに手をかけたところでジョエルの死に顔が脳裏に浮かぶ。
「行かすわけにはいかない」

 

今度はエリー側の視点で、アビーとの一騎打ちに挑む。

 

この一騎打ち、なかなかに辛いものがある。よく見知った敵を殺すのは難しい。ましてや子供を守ろうとする人間ならなおさらだ。
何とか殺す以外の道が開かないかと、とどめを刺すボタンをなかなか押せなかった。
それでも押さないと進まないのだからしょうがない。

 

最後のボタンを押す。
エリーがアビーにとどめを刺そうとする。

 

エリーの頭にジョエルの姿が浮かぶ。

でもそれは死ぬときの姿ではなく、どこか穏やかな顔でギターを弾いていた姿だった。

まだジョエルがいたころのいつかの記憶。

 

・・・・・・・・・


エリーはアビーを殺さなかった。または殺せなかった。

 

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泣きながらアビーを見逃がすエリー。

アビーは船でいづこかへと去っていった。

 

個人的には、これで良かったと感じた。いや、良い悪いじゃないとは思うんだけどさ。結局エリーの選択なんだし。
ただ見知った人が死ぬのはキツイから、神の視点で見てた側にするとやっぱりこれで良かったよ。

 

エリーにとってはどうだったんだろうな。どうしてアビーを殺せなかったんだろう?。

 

思えばアビーを見つけたところから、エリーはどこか殺すのをためらっていたようにも思えた。アビーへのセリフも「行かせない」ではなく、「行かすわけにはいかない」だったし、自ら望んだ復讐心というよりはどこか義務感みたいなものに突き動かされていたように思えた。
それにアビーをあと一歩で殺せるってところからずっと泣いていた。

 

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苦しげなエリー

 

この後に出るエピソードなんだけど、ジョエルが殺される直前にエリーと話していたことがあった。
エリーは、ジョエルが自分を病院から連れ出したことについて、ワクチンという生きた証を残せるはずだったのにそれを奪った。一生許せないけれど、「でも許したいとは思っている」と話していた。

 

もしかすると、レブを抱いて脱出しようとしたアビーに、ジョエルが重なって見えたのかもしれない。
アビーにジョエルを重ねてしまったから、ジョエルを許したいと思っていたのと同じようにアビーを許したいと感じてしまったのかなー。

 


 

サンタバーバラの一件後、家に戻ってきたエリー。ディーナはおらず家は空き家になっていた。残されていたギターを弾きながら、先ほどのジョエルとの記憶を思い出す。

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弾き終わったギターを置いて、どこかへと歩いていくエリーを映して物語は終わりを迎えた。

アビーとの因縁を断ち切ったエリーなら、おそらくもうジョエルの悪夢に悩まされることはないのだろうと感じる。

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進む者と残された記憶

 

ずっと暗く重たい話だったけど、最後はエリーも吹っ切れたように見えたし、やってよかった。

 

システム面ではあまり真新しさは感じなかったけど、ストーリーは心をめちゃくちゃ揺さぶり続け葛藤を生んでとてもよかった。
ただ、とても陰鬱な印象を持つと思うので、人は選びそう。

 

 実際、レビューとかも賛否両論だったらしい。その内容もクリア後ある程度目を通してみた。

 

 まあ、少なくともプレイして愉快な気持ちになるようなゲームではない。冒頭でも言ったように、ずっと雨に降られているような感覚だ。
またジョエルが序盤で殺されるのもきつい展開ではあったろう。自分は先にジョエルが死んで復讐するようなストーリーなのは知っていたから事前に準備できたけど、そういう事前情報がない中でジョエルに思い入れがあったらかなりきつそうだし、ジョエルとの共闘を期待していたらがっかりはするだろうな。
この辺はPV詐欺みたいなところがあったみたいだから仕方ないところはありそう。

 

 ただ自分はジョエルの死にそこまで理不尽さは感じなかったかなー。あんだけ人間殺してたらそりゃ殺されるでしょ。ACのオールドキングも言ってたように「殺してるんだ。殺されもするさ」ということだ。

 

LGBTsがどうのこうのとかいうのは正直どうでもいいかな。ただ単にそうであったからそうなっただけの話だろう。

 

こういうストーリー性の強いゲームをクリアしたときはいつも思うのだが、正直、ストーリー上の演出についてまだ全然理解できてないなーと感じる。人の考察記事を読んで、「そんな意味があったのか」とか「そういえばそんな演出があったな」とかめちゃくちゃ思う。


他の人の考察を見ながら、色々考えられる作品はいいものだ。

 

続編が出たらぜひやってみたい。