沼メモ

FF14(槍鯖)、その他ゲームやらなんやらの話題を書きたい。

Vivy -Fluorite Eye's Song- 感想

久しぶりに、息を止めてノンストップで観てしまうアニメを見つけた。
Vivy -Fluorite Eye's Song-」だ。

 

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©Vivy Score / アニプレックスWIT STUDIO

 

今年の4月から6月まで放送されていたアニメだが、アマプラで配信していたので一気見していた。

 

Vivyは自立人型AIであるヴィヴィが100年後に起こるAIの暴走という未来を止めるために奔走するSF作品だ。

 

2161年4月11日

突如AIが暴走し、人間への虐殺を開始する。

ある科学者がこの未来を変えるため、AIのマツモトを100年前に送り込み、自立人型AIヴィヴィと接触させる。ヴィヴィは100年後のAIの暴走を阻止するため、マツモトと共にAI史における転換点を修正するシンギュラリティ計画を遂行していくというのがあらすじ。

 

以下、出来るだけネタバレはしていないつもりだが、若干注意。

 

・未来のために奔走するヴィヴィ

当初はシンギュラリティ計画に懐疑的だったヴィヴィだが、計画が進行するに従って、AIの暴走を止める意志が強くなっていくのは見どころの一つ。

 

崩壊するビルを駆け、宇宙ホテルの墜落事件に介入し、襲い来るAI達をなぎ倒し、使命のために歌い続ける。

青い血を流しながら髪を振り乱し、愚直に使命を遂行しようとするヴィヴィがとてもかっこいい。

ヴィヴィ以外にも使命のため生きるAIが描かれる。特にシスターズと呼ばれるシリーズのAIとの交流が主なものだ。

彼女らはいずれも、それぞれの形で自分の使命を果たし切った。その生き様を目にしてきたヴィヴィが最後の決戦に臨むラストが終わったとき、私は大きく息を吐くしかできなかった。

 

これまでの全てを乗せてラストに昇華しきる「うおおおおお!!!」感がたまらない。

 

・漂う人間臭さ

ヴィヴィ個人の魅力として、漂う人間臭さがあると思う。

まず何といっても頑固さだ。

 

「歌で皆を幸せにする」使命を持つヴィヴィ。自身の敵であるテロリストでも、死にそうになったら身を挺して守る。なぜなら幸せにする対象だから。

マツモトが指摘したように、そんなことしたってテロリストが客になんてなるわけがない。しかしヴィヴィにとってはそんなことは関係なく守るべきだから守る。

 

マツモトが結構短絡的な案を出すのもあるけど、基本的に言うことは聞かず、自分が納得できないことはやらないし、自分がやるべきと思ったらやる。

 

それから友人が亡くなれば悲しみを抱くし、それを見過ごしたマツモトに怒りを向ける。AIと聞いて思い浮かべるような無機質な感じがそんなにしない。

これは自立型AIだからというのもあるのだろう。しかし、AIらしい演算とかを言っている中に頑固さや悲しみや怒りが見えると非常に魅力的に映る。

 

・マツモトとの掛け合い

物語自体は結構シリアス路線だが、マツモトとの掛け合いが一服の清涼剤になっている。

時に冗談を言い、時に皮肉を込め、時にヴィヴィをおちょくる。それに反応するヴィヴィも可愛い。

物語が進むにつれてバディとしての絆が芽生えるのも見どころの一つ。

7話でとっさに「ヴィヴィ!」と叫んでしまうマツモトはそれまでの絆が垣間見れるようでよかった。

最終決戦前のマツモトの励ましと、ヴィヴィの冗談の応酬はまさしくバディだった。

 

・絵の綺麗さ

Vivyの魅力として、物語の随所に描かれる顔のアップの画面が挙げられる。

描きこまれ、宝石の如く輝く虹彩。繊細に描写された髪。心の内を映し出したような影や瞳の揺れ。

ここまで描きこまれた画面はアニメではあまり観たことがない。

 

戦闘シーンの作画もすさまじい。

メタルフロート編でコアへ突貫するヴィヴィ達の動きは本当に引き込まれた。ゾディアックフェス編の戦闘シーンも迫力があって手に汗握る。

全体を通して繊細さと力強さが同居したような作品だった。

 

久しぶりに息をするのを忘れるようなアニメを観れた。今のところアマプラで全話観れるので、観れる環境の人にはぜひ見てほしい作品だ。