「死ねばいいのに」
巷で話題になっていたOMORIをやってみた。元は英語のみのゲームだったが、昨年12月に待望の日本語化され、ネット上でもプレイ動画を見ることが多くなっていた。
可愛い絵柄に反してホラー要素があり、冒頭の注意文には「このゲームにはうつ病・不安神経症・自殺の描写、及び、映像が激しく点滅する演出が含まれます。」の表示が出てくるというギャップに惹かれ、怖いもの見たさ8割でプレイしてみた。
冒頭、真っ白な部屋に主人公:オモリがいる場面から物語は始まる。
ナレーションによればここはホワイトスペース。まんまなネーミングだ。部屋には黒猫、ティッシュ、スケッチブック、ノートパソコン、電球だけ。
特に目を引くのがスケッチブックで、精神病患者が書いたようなインパクトのある絵が書かれている。雰囲気からして不思議な部屋で、恐らく精神世界か何かだと思われる空間だ。
探索をしていくと、部屋の中にナイフが落ちているのを発見する。いきなり世界観に似つかわしくない物騒なものが出てきたと思ったら、OMORIはそれを拾っている。どうもオモリの武器はナイフらしい。
ホワイトスペースから出るとメルヘンチックな世界で友人たちとで出会う。
天真爛漫なオーブリー、元気なケル、お兄さん気質のヒロ、写真が得意なバジル、オモリの姉のマリ。
当初はほのぼのとした雰囲気の中、みんなで無邪気に遊んでいたが、そのうち何かに気づいた様子のバジルが消えてしまう。
バジルが気づいたこととは何なのか。なぜバジルが消えてしまったのか。この世界は何なのか。様々な疑問を抱えながらバジルを探して冒険が始まるというのがあらすじ。
ストーリーの面白さ
可愛い絵柄でメルヘンな世界の中に忍び寄る不穏な展開の数々が謎解きみたいな面白さだった。
後にメルヘン世界だけじゃなく、現実世界でも行動することになる。両方の世界を通してオモリたちに何が起こったのか明らかになっていくのが心に残った。
オモリたちに起こった全てが判明した時は吐き気を覚えると共になんとも言えない気分になった。
特に印象に残ったのが冒頭で出した「死ねばいいのに」という言葉。
この言葉が出てくる背景を思うと、どうにもざわついた心持ちになってしまう。
黒さが面白いテキスト
台詞回しや紹介文とかに黒さが漂っているのが個人的に面白かった。スイートハートのグッズを「うざい人のグッズ」と表現したり、敵キャラ図鑑も「ブサイクな植物野郎」とか「汚れた洗濯物のにおいがする」とかなかなかに酷い紹介文になっている。
音楽がいい
フィールドBGMはその場所のイメージにあっているし、ボス戦BGMもゆったりしたものから激しく熱いものまでどれもいい。
その中でもラストバトルのBGMは演出も相まって非常に印象的だった。切ないBGMの中からオモリの心情が出てくるような不快な音が出てくるあのBGMは戦闘しながらめちゃめちゃ聞いていた。
戦闘楽しい
本作の戦闘は感情がタイプ相性みたいになっており、敵味方の感情を操作しながら有利不利を作っていく。相手の感情を操作しながら戦術を練っていくのが楽しかった。
敵によってはこちらの感情を操作したり、ボスの感情を更に強化したりもしてくるので、そこをカバーする方法を考えるのも楽しい。
話題になるだけあって、心をかき乱すようなストーリー展開が非常に魅力だった。また通常ルートしかやっていないので引きこもりルートをやってみたい。