沼メモ

FF14(槍鯖)、その他ゲームやらなんやらの話題を書きたい。

読書感想文:「内向型を強みにする」

少し前になるが、「内向型を強みにする」という本を読んで面白かったので、読書感想文でも書いてみる。

本書は内向型人間の特徴や、外向型人間が主流な社会での処世術を記した本。

自分が引きこもりがちだったり、人付き合いが苦手だったり、それを人に話したら「不健康だよ」といった反応されて「お、おう…」みたいな感じになった人(主に私)には面白く読めるのではないだろうか。

本書によれば世界の75%は外向型でできており、外向的な特質が尊ばれている。

多くの友人と継続的な付き合いのある人。自分の考えを声にできる人。人とよくコミュニケーションをとり、休日は誰かと一緒に遊ぶ人。そういう人が健全な人であり、人付き合いのほとんどない人、休日はずっと家にこもって人と話をしない人は不健全とみなされている。

だが、そうではないと筆者は伝える。内向型と外向型はどちらにも強みと弱みがあり、良い悪いではなく、ただ気質が違うだけと話す。

とはいえ、外向型人間は内向型人間の3倍ほどいて、社会も外向型人間を重視している。内向型人間がそのような社会でも健全に生活するためのアドバイスが本書には詰まっている。

本書のアドバイスをものすごく乱暴に一言で言ってしまうと「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」ということになるだろうか。どちらかといえば自分(内向型)の特質を知り、外向型からどのようにみられているかを知るという順番がいいだろうか。

自分が結構強烈に覚えていることとして就活のグループディスカッションがある。ある議題について、グループで話し合って、何らかの結論を発表するみたいなやつ。司会役とかタイムキーパーとか役割をいかに先にとって、他のメンバーを蹴落としつつ、自身のアピールをできるかというもので、クッソ苦手だった。

ある会社のディスカッションで新しい商品企画を考えるみたいなやつをやらされたのだが、本当にまったく話せなかった。いろいろ他の人の話について言いたいことはあったのだが、「何か言っても代案もないしな…」とか考えていたら言う機会もなく終わってしまった感じ。

まあ、立ち回りが悪いといえば悪いのだが、10分とかで思ったことを話して、十分な発表をしろっていうのがなかなか厳しい。

最後に社員の人から総評みたいなことを言われるのだが、私の評価は「とりあえず話そう」というものだった。「うるっせえ、こちとら話したくてもいろいろ考えて話せんのじゃ。せめて話をするコツとかぐらい話せや(#^ω^)」と内心ビキビキしていたのだが、話すということにコンプレックスを抱く要因の1つになってしまった。

本書を読むと、とりあえず「それでもいいか」という気分になる。うまく内向性を活かしつつ存在感を示すみたいな具体的アドバイスもあるのだが、それ以上に全体を通して「内向型も大変だけど、まあうまくやっていこうや」くらいの温度感のように思えるのがよかった。

こういう少数派の人を題材にしたものだと、「自分たちを理解しない社会を変化させる必要がある」みたいな温度で話をするものもときどきあるように思うが、本書はそう言ったところは感じられず、穏やかに自分を変えたり、周りに理解してもらうように書かれている。

むろん、本書に書かれていることを全て実行できるわけではないが、Tipsとして知っておいてもいい情報がいろいろとあったように感じた。