テイルズシリーズの新規マザーシップタイトルがついに発売された。
テイルズシリーズと言えばファイナルファンタジー、ドラゴンクエストと肩を並べるJRPGの代表シリーズだ。
正直に言うとこの中でまともにプレイしたことがあるのはテイルズシリーズしかない。
デスティニー2からテイルズに触り、折に触れてテイルズをやってきた身としては感慨深い。
2019年のE3で発表されたアライズはそれまでのシリーズとは一線を画したリアル調の作風になっており、プロデューサーが語った“継承と進化”を感じさせられ、久しぶりにワクワクしたことを覚えている。
とはいえ、私が最後に触ったテイルズはエクシリアでもう10年も前のことだ。
エクシリアがあまり肌に合わず、その後のシリーズはしばらく様子見するようにしていたら、ゼスティリアの炎上騒ぎがあり、余計に足が遠ざかっていた。気づいたら10年もシリーズに触らずに来ていた。
お久しぶりのテイルズをクリアできたので、感想を残してみたい。
あらすじ
自然あふれる豊かな大地に覆われた星・ダナは隣り合うもうひとつの星・レナのことを「死者が住まう地」として崇めていた。
300年前、ダナはレナから突然の侵攻を受ける。科学や魔法が発達したレナに対し、科学力はほとんどなく魔法も使えないダナは圧倒的な力の差で敗北し、ダナの人々はレナによる終わりなき隷属を強いられることになる。
ある日、ダナの青年・アルフェンは同族から追われるレナの少女・シオンと出会う。痛みを失ったダナの青年と他者に痛みをもたらすレナの少女の思いがけない邂逅は、ふたつの星の運命を揺るがす物語の始まりに過ぎなかった。
■ストーリー・キャラクター面
感想を述べるにあたって、まず一言言いたい。
はあああああーーーー!!! 末永く爆発しろ!!!!
これはストーリーを完結させた人ならどこかで感じたことなのではないだろうか。
今作、主人公:アルフェンとヒロイン:シオンの恋愛要素がシリーズ中でも色濃く出ていたように思う。
これまでも主人公とヒロインの恋愛的要素はずっとあったけど、今作はそれにも増して甘々な気がする。個人的には好き。
「痛みを感じない男と、触ると痛い女」ということで出会った段階で相性抜群の2人。
それぞれの目的のために一緒に旅をするようになるが、旅の中で仲間として絆を紡ぎ、お互いを信頼しあうようになる。この流れが最高なのよ。
特にシオンは優しさを秘めているけど、自分に触ると激痛を与えてしまうから、誰とも仲良くなどできず、人を遠ざけてきていた。そんな中でも自分を仲間とか友達とか言ってくれる人ができてくる。この流れはとてもいい。
その他のパーティメンバーもそれぞれ、自分とは異なるところが多い者同士で旅をすることになるけれど、旅が続くに連れてそれぞれを認め合っていく描写がある。
今作のテーマとして「壁を壊す」という言葉が随所に出てくるが、種族や生まれや能力の壁を壊し、仲間として認め合っていくのはRPGの醍醐味の一つだ。
ただ、もうちょい癖の強いキャラがいてもいいなーとは思った。大体みんなまともな年ごろの男女って感じで、尖りまくったキャラがいないかな。
極端におっさん、お爺さんというキャラもいないし、動物もいないし、裏切り者もいないし、独立独歩のキャラがいないという点では少々寂しい気もした。
それからストーリーの起伏という点でも少々物足りなさを感じた。
物語が進むにつれて、レナの真実や世界の危機といったものが明かされていくのだが、いかんせん仲間内で物事が閉じている印象を受けた。
例えば世界が危機に瀕したときに、それまで助けてきた国とかが共同戦線張って助けてくれるということがなく、後半のダナ側は空気になっていたように感じる。
支配者である領主を倒すまでは色々関わりあうんだが、領主を倒した後はあまり関わることがなく、世界の危機となってもおろおろしているばかりな印象を受けた。
まあ、舞台が惑星間という大きなものになっていくので、やることないと言えばそうなんだが、どうもここ一番で胸を熱くするような世界を巻き込んだダイナミックな展開は乏しく感じられた。
あと、ヴォルラーンが面白かった。
今作の変態ストーカー枠であるヴォルラーンだが、氷の玉座に腰を悪くしそうな姿勢で座ってたり、主人公らに執着してどこまでも追ってきたり、見ようによっては可愛いくも思えてくる。
戦闘でも主人公にヘイトが滅茶苦茶向いてて、ステージの外周を逃げ回ってる自分にとことこ付いてくるのが面白かった。
■顔表現の進化
キャラクター造詣の作風が変わったことで繊細な顔の表現が可能になっているように思う。
これまでの作風はアニメ調で、喜怒哀楽が分かりやすい漫画的な表現が多かった。
対して今作はリアル調になったことで、喜怒哀楽の繊細な感情の表現ができており、微妙な感情の揺れ動きも感じられて面白い。
■ビジュアルの進化
公式でも言及されている通り、リアルとも違う独特の空気感のビジュアルだった。
■戦闘面
全体を通してちょうどよい緊張感のある戦闘ができた。敵はそこそこ固いが、術技はすぐにゲージが回復して出すことができるため、スピード感を感じられる。
ある程度削った状態でコンボを決めれば、敵を一撃で倒せる技も出せるので、いかにコンボを決めていくのか考えるのも楽しい。
ただ、回復アイテムであるグミ系が過去作と比べてとてつもなく高く設定されている。
特に回復に必要なCPを回復させるグミはとんでもなく、CP30パーセント回復のレモングミは1個3,000ガルドもする。大体のクエストの報酬が1万ガルド以下なので、3つも消費したらそれだけでほとんど利益なしになる。
そのためCP消費が重い蘇生魔法のレイズデッドは使用不可にして、ライフボトル(1個1000ガルド)だけで蘇生するようにしていた。こんなことはシリーズで初めてだったのでなかなか衝撃的だった。
こんなところかな。
少々パンチが弱く感じられたところもあったけど、戦闘は爽快だし、レベルデザインもノーマルで簡単すぎず難しすぎずちょうどいい緊張感を持てた。
テイルズらしさと新しさが同居した“継承と進化”の名に違わない新しいテイルズとして面白いゲームだった。
出荷本数的にもいいペースで出てるみたいだし、今後のテイルズにも期待したい。
自分がRPGできる時間があればだけどな!